Ray Dalio

230802 今経済に起こっていることをレイ・ダリオが読み解く

異例な経済状況:金融引き締めが効かない!?

FEDの金融引き締めに対して

経済は

明らかに通常どおりの

反応を示していない。

強すぎる

中央政府と中央銀行の罪:レイダリオの分析

政府主導の

富の移動

が起こった。

公的セクター(中央政府と中央銀行)、

そして政府債権所有者から

民間セクター(家計とビジネス)へ。

→ これが民間セクターが

  金融引き締めに

  鈍くなった理由

その結果、

家計及び所得収支が向上し、

政府収支が悪化した。

富の移動は世界的にも起こった:赤字財政拡大の末路

アメリカも世界的にも

中央政府は

赤字を拡大させて

バランスシートと収支を悪化をさせた。

つまり、

中央政府はさらなる債務を負い、

中央銀行は紙幣を増発させ、

民間を潤すために

多大な債務を負うことになった。

これは2020年及び2021年に起こった。

(米国赤字予算が

 GDPの10~14%

 中央銀行の債券保有率が

 GDPの18%から35%に

→ 金利がマイナス圏になり、

資金を増やすには

中央銀行以下の金利で

  お金を借りることに。

現金はごみに。

  (借りることが正しく、

   所有することは悪)。

政府が需要の少ないローンで

人々やビジネスにお金をふりまいたため、

彼らは好ましい金利を示している

『安全な』政府の

国債を買いあさった

2022年の大変化:インフレ、金融引き締め…

コロナ後のインフレ下の緩やかな財政政策

2022年になると

インフレが高まる中、失業率は低く、

驚くほど

緩やかな財政政策

が行われた。

(米国予算の赤字は

 12%

 という巨大な値から

 5~6%

 に下がった。

 それでもまだまだ大きな値だが。)

いよいよ金融引き締めへ:拡大をつづける債務

中央銀行は

緩やかな金融政策から

引き締め

に転じた。

ー1.5%の債券金利を

 +1.5%に転換し、

 バランスシートを引き締めた)

この引き締めは

債権と株を引き下げ、

資本市場と経済のうちのいくつかを

悪化させた。

(ベンチャーキャピタルや

 未公開株、商業施設の不動産)

民間セクターの純資産は高まり、

失業率は低レベルへと低下した。

報酬は大幅に上昇し、

民間セクターは

中央政府がより多くの債務を抱え、

中央銀行と

それ以外の政府債所有者が

多額の資金を失った

政府収支悪化の一方で、実体経済の向上:善??悪??

中央政府と中央銀行が

これほどの

ひどいバランスシートと損益計算書

を抱え、

実体経済がおどろくほど

良い状態であることに

問題はあるのだろうか??

もちろんある!

債務を借りた者は

痛みをともないながら、

最終的に元本を払い戻さなくてはならない。

民間と政府の

債務における唯一の相違点は

政府は税を徴収したり、

中央銀行に

紙幣を刷らせることができることだ。

→ そしてこれが、これから起こる。

これが

大きな問題になるのだろうか??

その答えは

おそらく短期間では問題ないが、

後日問題となるだろう。

同様の事態は人生の中で経験することはないが、

歴史を見れば多く起こっている。

(Principles for

 Navigation Big Debt Crises参照)

レイ=ダリオ氏の提唱する債務サイクル:MP3とは??

債務サイクルを分類する

長期の債務サイクルの中で

米国政府が

今取り組んでいるアプローチを

私はMP3と呼んでいる。

MP1:中央銀行のバランスシートを

   変えることなく、

   金利を変える金融政策

  (紙幣を発行することなく、

   金融資産を購入する段階

MP2:中央銀行が紙幣を増発し、

    金融資産も買い上げる

(債務借り入れ需要が

減少した状態で

もはや金利を下げることができず、

それでも景気を刺激したい局面)

MP3金融資産の購入が

    その所有者を潤す一方で、

資金を必要とする人々の手元には

    お金やクレジットが届かない状態

   → 政府のみが

     お金を送る権利を有する

レイ・ダリオが評価しきっていないこと:民間部門の強さ

現在の民間セクターの

財務状況改善が

中央銀行の金融引き締めを

どのくらい和らげるか??

歴史が教えてくれること:

中央政府は

赤字債務を拡大

することで経済成長を促進し、

それがスパイラルとなって

さらに巨大な債務を発行して

バランスシートを毀損する。

債権供給が

需要を上回ると

金利が上がり、

中央銀行はそれを抑制するために

さらに債権を発行することになる。

しかしどちらのケースでも

金融政策の副作用として

直接的に

中央銀行の損失と純資産の減少を招く。

→世界の多くの中央銀行が

 同様の事態に悩んでいる。

アメリカの現状:債権の終わりの始まり(債権危機へ)

家計、民間の経済指数は強い一方で…

アメリカの現状を見てみると、

① 収入はCOVIDで激減したものの、

  政府補助金で回復している

② 貯蓄率は減少しているように見えるが、

  分母を総収入とするため

  必ずしも減少しているものではない

家計の富の中で

「借金は変化しておらず」

家計の富は

歴史上

かなり「高い」値を示している。

失業率は

COVIDで急増したものの、

その後1960年代レベルまで急落した

その際労働賃金は急増している。

前述の家計の富同様に

バランスシート及び

損益計算書も強含んでいる。

政府財政状況の悪化と、レイの注目点:累積債権数

政府の赤字は

以前大きく、さらに悪化傾向にある。

私は

Fedの累積債権数

を注視しており、

次の機会の

この数値の顕著な増加は

最後の、そしておそらく最大の

債務負担及びその価値の

長期的な減少に転じる

契機になりうると思っている。

名目金利及び実質金利は

2020~2021年に最低に達したものの、

それ以降は通常のレベルへと回帰している。

商業銀行及びFedは

莫大は政府債を買い込んでいる。

参照

https://www.linkedin.com/pulse/whats-happening-economy-great-wealth-transfer-ray-dalio