住宅バブル崩壊:中国に訪れた『100年に一度の大災害』
中国の王朝をみてみると、
それらの王朝が事態をうまく収拾する時も、
しない時もあったが、
現在起こっていることが
歴史では繰り返し起こっており、
習主席は
「100年に1度の大災害」と公言している。
訪れた危機:政権交代か!?習近平の正念場
以前もそうであったように、
現在の習政権も
政権交代の危機にさらされている。
中国の政権は
リーダーが厳罰にもとづく
厳格なコントロールを敷いており、
エリートを動かして大衆を管理している。
転換点を迎えるために:債務処理が重要
1990年代から続く巨大な
債務の再構成が
明らかに必要である。
→ 歴史からその答えが分かる。
アメリカの債務処理については、
著作『Principles for Navigating Big Debt Crisis』に記載。
債務削減が
うまくいくかの分かれ目は
以下のとおりである。
住宅バブル崩壊は乗り越えられるのか!?
◆その債務が自国通貨建てか、外国通貨建てか??
中国のように自国通貨建ての場合、
その管理はより簡単である、
とはいえ簡単ではないが。
◆その債務が自国民に所有されているか否か??
中国のように自国民が所有している場合、
その管理はより簡単である、
とはいえ簡単ではないが。
◆債務削減の方法にもよる
デフレ的な債務削減と
インフレ的な貨幣印刷のバランスが必要。
レイ・ダリオ:金融引き締めが強すぎる
私の意見では、
現在の中国は債務削減をやりすぎており
特に地方で
債務返済が経済を凍結させているため、
『美しい債務処理』のプロセスに
したがう必要がある。
【秩序の安定が保たれる条件】
1 クレジット/債務/経済の変化
2 国内政治の変化
3 外国との地政学的変化
4 自然の変化(干ばつ、洪水、疫病など)
5 人間の創造性(特にテクノロジー)
→美しい債務処理については
著作:『Principles for Navigating Big Debt Crisis』に記載
参考
https://www.linkedin.com/pulse/china-needs-engineer-beautiful-deleveraging-ray-dalio
用語解説とekubo一言解説
delevelage(デレバレッジ)
レバレッジを解消すること。
小さな資金を元手に、
大きな資金を借りて運用する
『レバレッジ取引』をやめること。
本記事では、
中国は
急騰した住宅バブルをおさえるため、
デレバレッジが必要と解説されている。
美しい債務処理
厳密には『美しいレバレッジ解消』
原文には
”Beautiful Deleveraging”と
表現されているが、
前述のデレバレッジが
一般的ではないと考え、
「債務処理」と訳した。
レバレッジとは風船
ダリオ氏は
債務を借りる(借金をする)ことを
山登りに例え、
債務を返済することを
山を下ることに例える。
景気が良い時は
債務(借金)はふくらみ、
資産(土地)を購入し、
それを担保にしてまた資産(ビル)を買う、
『信用』の風船が急速に拡大する。
逆に
景気が悪くなると、
この膨張した『信用』を風船を破裂させず、
ゆっくりと空気を抜く必要に
各国政府は迫られる。
しかし
信用の風船は想像以上に
パンパンにふくらんでいるため、
今回の中国の住宅バブルも
『美しいレバレッジ解消』には
かなり困難な道が待っていることだろう。